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新人作家応援特集:スタジオスポンジ紹介!

新人作家3人のスタート地点 スタジオスポンジとは

スタジオスポンジは、焼き物を学んだ県外出身の菊本有花さん、田端修さん、中倉美咲さんが中心となって令和3(2021)年に設立された陶芸シェアスタジオです。焼き物を学んだあと、続けて個人活動を行うには様々な問題があります。まず大きな問題は設備です。スタジオスポンジは長く使われずにいた工房を自身たちで改修し、陶芸シェアスタジオをつくりました。今後は自分たちの作陶の場としてだけでなく、陶芸教室なども開催し、人々が集う場になることを目指しています。

PWJでは、助成事業でスタジオスポンジのスタジオ改修費を助成しています。また、彼らの販路開拓もサポートしています。

*菊本有花さん

イギリス仕込みの陶芸に個性を表現

イギリスの大学院で陶芸の勉強をした後、有田に移住し、製作活動をされている菊本さん。イギリスの洋食器に憧れを抱き、社会人になってから貯金をし、英語と陶芸の勉強をするため渡英。現地では、慣れない生活に加え、専門用語ばかりの英語での授業、さらに作品つくり等、たくさんの挫折を味わったそう。しかし、イギリスで学んだ焼き物の経験が制作にも活かされ、デザイン、手触りにこだわった作品を多数製作されています。

製作過程の中で、1つ1つの作品の個性を大切にされている菊本さん。全て均一化された作品ではなく、手づくりならではの表情が楽しめるような味わいを大切にされています。個性を出しつつ、商品としての一貫性を持たせることに難しさがあるとのこと。その中でも作品を買われたお客様から「使いやすかった」との声をもらったときは、心からうれしいと感じるそうです。

▼菊本さんの作品はこちら

・Jidori Pink Bowl、Jidori Blue Bowl

各¥2,530

ロンドンの日本創作料理レストラン【Jidori】のために製作した器です。柔らかなパステル調の色見がかわらしいアイテム。日常使いのしやすさも魅力で、サラダや、スープ、ちょっとした丼ものなど多様にお使いいただけます。

・Jidori Pink Plate、Jidori Blue Plate

各¥2,530

こちらも【Jidori】のために製作した器です。パンやケーキ皿、取り皿など、どんなシーンでも大活躍!明るい色見で、使っているだけでハッピーな気持ちになるプレートです。写真映えもしやすい作品!お気に入りの料理と一緒に、ぜひ撮影を!

・ブラック幾何学、グレー幾何学 手触りココット

各¥2,530

手彫りで製作した型を使ったココットです。柔らかなマットな質感と優しい色見、手彫りの模様で、使った時にほっと気持ちが温まるようなアイテムです。プリンカップ、ヨーグルト、ちょっとした和え物を入れるのにぴったり。手触りにもこだわった作品。ぜひお手にとってその魅力をご堪能ください。

・ブラック象嵌 手触りマグ

¥5,060

イギリスの陶芸家、ルーシー・リーの作品からインスパイアを受けた、モダンなアート作品のようなマグカップです。象嵌という彫り技法を施し、1つ1つ表情の違う線が特徴。表面の手触りも魅力です。持ちやすいように持ち手の形にもこだわりました。今回PWJではじめて販売をする菊本さんの注目の作品です!

▼菊本有花さんインタビュー

・イギリスのようにシェアアトリエを広げたい

焼き物を学ぶ学校を卒業して、いざ製作活動に励みたいと思っても、その環境がない。結局、県外へ人材が流れてしまうのが問題だとずっと感じていました。一方、空き家や廃業した窯跡、空き地などはよく見かける。こうした問題をつなげて、解決方法を探していく。私たち、スタジオスポンジが先駆けになり活動が広がることで、今後、スタジオスポンジのようなシェアアトリエが増えていってほしいと思います。イギリスでは、シェアアトリエはたくさんあったのに、「日本にはなんでないの。」とずっと思っていました。これからもたくさんの作品を生み出していきたいと思っています。

・人と人が出会い、スポンジのように知識を吸収する場に

スタジオスポンジを活用して、様々な人の製作、出会いの場にしていきたいです。(名前の由来でもある)スポンジのように皆がそれぞれから知識を吸収してほしいと思います。今後はこのシェアアトリエを拡大して、製作の場にとどまらず、オープンスタジオや、陶芸教室なども行い、たくさんの人に来てもらえるようにしていきたいと思っています。これをきっかけに独立する作家も増えてくれたらうれしいです。

・皆様へ

写真ではわからないたくさんの思いを込めて製作しました。ぜひ、手に取って手触りを楽しんでください。

*田端修さん

第二の仕事で夢を追う

定年退職後に、焼き物づくりをはじめた田端さん。楽しそうな様子でお話しをされ、夢を追いかける姿に、年齢は関係ないと、こちらも励みをいただきました。長崎県出身で、就職をきっかけに佐賀県唐津市に引っ越して来られた田端さん。先輩がぐい呑みでお酒を飲む姿に、大人のかっこよさを感じ、唐津焼に興味を持たれたそう。知人の唐津焼作家のところで、工房や窯焚きのお手伝いもされていたそうです。その後、定年後に本格的に有田工業高校聴講生(窯業コース)に通い、焼き物の勉強をスタート。今年の春に卒業、スタジオスポンジの一員として製作活動を行っています。

唐津焼の中でも、特に斑唐津が好きな田端さん。藁灰の釉薬から生まれる青みがかった白が、唐津のざっくりとした土にとてもよく映えると感じるそう。しかし、まだまだ憧れの斑唐津の姿には程遠く、唐津焼ともいえない段階と話してくれました。製作の中では、特に材料選びが難しさを感じています。いざ成形しても、釉薬と合う土、合わない土があり、窯で焼いても、イメージと違うなんてこともしばしば。試行錯誤の毎日とのこと。しかし、その中で、ようやく作品が出来上がっていく、筋道になっていくときにうれしさを感じるそうです。

▼田端さんの作品はこちら

斑唐津ぐい呑み

¥2,750

土の力強さと藁灰釉の柔らかな白色が特徴のぐい吞みです。ロクロ形成のため口当たりはなめらか。冷酒、常温酒、熱かん、いずれにも使える、手づくりの温かみを感じる一品です。

斑唐津蕎麦猪口フリーカップ

¥1,840

田端さんが今、最も注力している斑唐津の一品。高台近くの丸みが柔らかい印象です。使っていただく方にも味わい深さを楽しんでほしいとの思いを込めています。そば猪口や向付など様々な用途に使える便利なサイズ。日常使いに大活躍します。

▼田端修さんインタビュー

・技術を学んでもつくる場がない現状

実際に学校に通い、日本だけではなく海外からも勉強しに来る方がいました。しかし、卒業後、学生の就職先はあっても、自分が思うようなものを自由につくれる場所がないのが現状です。また、学ぶ仲間の中には生活のために(製作活動を)続けられずやめていく人もたくさんいました。自分は、今、こうして作品づくりを続けることができ、本当にラッキーだと感じています。スタジオスポンジに参加することでたくさんの方ともご縁がいただけて、本当にありがたいです。

・唐津焼の高みを目指します

自分が目標とする唐津焼をつくることを目指しています。自信をもって、「これが唐津焼です」といえるように頑張ります。斑唐津も目標の姿に近づけていきたいです。

・皆様へ

ぜひ一度、手にとって、使ってみて唐津焼の良さを感じてください。

*中倉美咲さん

オリジナルの釉薬づくりに施行錯誤

高校の時の部活動で陶芸をしていたことがきっかけで本格的に陶芸の勉強をはじめた中倉さん。佐賀大学で陶芸を学び、現在は佐賀県窯業技術センターで、ろくろの勉強をされています。普段の製作活動では、器に盛ったものを引き立たせ、なおかつ中倉さん自身が欲しいと思える作品づくりを心がけています。 製作過程では、釉薬の調合が特に難しいそうです。しかし、苦労した分、オリジナルの釉薬が上手く焼き上がったときは、何よりうれしいと答えてくれました。

※中倉さんは現在作品を製作中です。
完成後、オンラインショップでも販売予定!お楽しみに!

▼中倉美咲さんインタビュー

・スタジオスポンジは製作の場、そして交流の場

焼き物に限らず、日々の作業の繰り返しで技術は上達していくと思います。学校しか作業場がなかった私は、学校外でも製作ができ、技術を磨く場所としてもスタジオスポンジを活用しています。シェアアトリエでもあるので、他の方の製作活動を見ながら、精進していこうと思います。

・イメージ通りの作品をつくりたい

自分が頭で描いた作品をつくり上げていけるよう努力していきます。

・皆様へ

食卓の名脇役になれる器をお届けできるよう精進していきます。

PWJの助成事業について

佐賀の伝統工芸事業者の取り組みを支援することを目的として、ふるさと納税による寄付金を活用し、2020年 から開始した助成事業。
2021年は、公益財団法人佐賀未来創造基金との共同事業として実施しています。

※窯の修復について説明をうける(江口人形店)

※作品についての説明をうける(篠原渓山)

4月の公募、5月の審査会を経て、8団体の助成対象事業者が決定。決定事業者には、上限50万円の助成を行っています。助成期間中は、専門家も交えた視察を複数回実施し、内容確認やアドバイス等も行います。ピースクラフツSAGAの助成事業は事業者に寄り添いサポートする伴走型のプロジェクトです

今年はスタジオスポンジのシェアアトリエ設備改修のほかに、窯の修復、新商品開発、装置の購入費などに活用されています。

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